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データ分析でデータを「グループ分け」するとは?集計に役立つ考え方【入門】

Tags: グループ分け, 集計, データ活用, 入門, Excel

データ分析の第一歩「グループ分け」とは?

データ分析と聞くと、なんだか難しそうなイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は日々の業務で無意識のうちに行っていることも含まれています。

例えば、「先月の営業成績で、関東エリアと関西エリアでどちらが売上が高かったか比較したい」と考えたとします。これは、データを「エリア」という基準で「関東グループ」と「関西グループ」に分けて、それぞれの合計(集計)を見比べる行為です。

このように、「グループ分け」(専門的には「グルーピング」や「分類」とも呼ばれます)は、大量のデータ全体を見るのではなく、特定のまとまりごとに特徴を把握したり、比較したりするために非常に大切な考え方です。未経験者の方がデータ分析を始める上で、必ず理解しておきたい基本中の基本と言えるでしょう。

なぜデータ分析でグループ分けが必要なのでしょうか?

データ分析の目的は、データから意味のある情報を引き出し、次の行動に繋げることです。しかし、たくさんのデータがそのままの状態では、全体の傾向や問題点、機会を見つけるのは難しいです。

ここでグループ分けが役立ちます。

ビジネスにおけるグループ分けの具体的な例

データ分析がビジネスでどのように活用されるか、いくつかのグループ分けの例を見てみましょう。

  1. 顧客のグループ分け:
    • 年代別(20代、30代、40代など)
    • 性別
    • 居住地域別
    • 購入回数別(新規顧客、リピーター、優良顧客など)
    • 最終購入日別(直近で購入した顧客、しばらく購入していない顧客など)
    • これにより、「どの年代の顧客が多く買ってくれるか」「関東の顧客と関西の顧客で購入する商品の傾向に違いがあるか」などが分かります。
  2. 商品のグループ分け:
    • 商品カテゴリ別(食品、衣料品、家電など)
    • 価格帯別(高価格帯、中価格帯、低価格帯)
    • 販売時期別(新商品、定番商品)
    • 「どのカテゴリの商品が売れているか」「低価格帯の商品は新規顧客に人気があるか」などを把握できます。
  3. 期間・時間のグループ分け:
    • 月別、四半期別、年別
    • 曜日別、時間帯別
    • 「特定月の売上推移」「週末と平日で客層に違いがあるか」などを分析できます。

どうやってデータをグループ分けするの?(入門編)

データ分析の専門的なツールやプログラミングを使わなくても、普段お使いのExcelなどの表計算ソフトでも簡単なグループ分けや集計は可能です。

例えば、顧客リストのデータがあったとして、顧客を「年代」でグループ分けしてそれぞれの人数を知りたい場合を考えてみましょう。

  1. 「年代」の列を用意する: もし生年月日データしかない場合は、計算して年代を割り出す列を新しく作ります。
  2. データを「年代」で並べ替える(ソート): 年代の昇順または降順でデータを並べ替えることで、同じ年代のデータが固まります。
  3. 「年代」ごとに数える: 並べ替えたデータを上から見ていき、年代が変わるところで区切り、それぞれの年代に何人の顧客がいるか数えます。

より効率的に行うには、Excelのフィルター機能を使って特定の年代だけを表示させたり、COUNTIF関数SUMIF関数を使って条件に合うデータの個数や合計値を自動で計算させたりする方法があります。

さらに進んだ機能として、Excelのピボットテーブルがあります。ピボットテーブルを使えば、行や列にグループ分けしたい項目(例えば「年代」や「地域」)を指定するだけで、自動的にそれぞれのグループごとの合計や個数などを集計してくれます。これはデータ分析において非常に強力な機能です。

まずは、お持ちのデータをExcelなどで開いて、「このデータを、もし〇〇という基準でグループ分けしたら、どんなことが分かるだろう?」と考えてみることから始めてはいかがでしょうか。

まとめ:グループ分けはデータ活用の第一歩

データ分析における「グループ分け」は、データ全体を漠然と見るのではなく、特定のまとまりに焦点を当て、その特徴や傾向、グループ間の比較を行うための基本的な考え方です。

このグループ分けができるようになると、単に合計や平均を見るだけでは分からなかった、より深い洞察や、具体的なビジネスアクションに繋がるヒントを見つけやすくなります。

まずは身近なデータを使って、「何を基準にグループ分けしてみようか」「グループごとに何を知りたいか」を考え、Excelなどの使い慣れたツールで試してみてください。データ分析の面白さをきっと感じられるはずです。