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データ分析で現状を理解する!データ比較の基本【入門】

Tags: データ比較, 基本, 入門, Excel, ビジネス

データ分析をはじめる皆さん、こんにちは。「データ分析はじめてガイド」編集部です。

データ分析と聞くと、難しそうな計算や専門ツールをイメージするかもしれません。しかし、データ分析の基本は、実はとてもシンプルです。その中でも特に重要な考え方の一つが「比較(ひかく)」です。

今回は、データ分析における「比較」の基本について、未経験者の方向けに分かりやすく解説していきます。

データ分析で「比較」が重要な理由

私たちは普段の生活でも無意識のうちに何かを比較しています。

このように、何かを「比較」することで、その対象が「良いのか悪いのか」「増えているのか減っているのか」「他のものと比べてどうか」といった「現状」や「違い」を理解することができます。

ビジネスの世界でも同じです。データ分析において「比較」は、現状を正確に把握し、適切な意思決定を行うために欠かせないステップです。

これらの疑問に答えるためには、データを比較する必要があります。比較することで、問題点が見つかったり、成功要因が明らかになったりします。

データ分析で「何を」「何と」比較するのか?

では、データ分析では具体的にどのような比較を行うのでしょうか? いくつか代表的な例をご紹介します。

1. 過去との比較(時系列比較)

最もよく使われる比較の一つです。「時系列(じけいれつ)」とは、時間の流れに沿って並んだデータのことです。

過去のデータと比較することで、傾向(けいこう)や変化を捉えることができます。「去年より増えた」「先月より減った」といった事実をデータから読み取ることができます。

2. 他のものとの比較(クロスセクション比較)

同じ時点での、異なる対象間での比較です。

他の対象と比較することで、相対的な位置づけや違いを知ることができます。「A店舗はB店舗より〇〇%売上が高い」「この商品は他の商品より人気がある」といった発見に繋がります。

3. 目標値との比較

事前に定めた目標や基準と、実際のデータとを比較します。ビジネスでは「KPI(ケーピーアイ):重要業績評価指標」と呼ばれる目標値と比較することが多いです。

目標値との比較は、目標達成度を測り、計画通りに進んでいるかを確認するために不可欠です。

データを比較する具体的なステップ(Excelを例に)

未経験者の皆さんにとって最も身近なツールの一つであるExcelを使って、簡単にデータを比較する方法を考えてみましょう。

ステップ1:比較したいデータを準備する

比較したいデータをExcelのシートに整理して入力します。比較対象となるデータは、同じ形式で並んでいると分かりやすいです。

例えば、月ごとの売上を前年と比較したい場合、以下のように整理できます。

| 月 | 今年の売上 | 去年の売上 | | :--- | :--------- | :--------- | | 4月 | 500,000 | 450,000 | | 5月 | 550,000 | 520,000 | | 6月 | 600,000 | 580,000 |

店舗ごとの売上を比較したい場合は、以下のように整理できます。

| 店舗 | 売上 | | :--- | :-------- | | A店 | 1,200,000 | | B店 | 950,000 | | C店 | 1,500,000 |

ステップ2:比較方法を決める(差を見るか、比率を見るか)

単に数値を並べるだけでなく、「差」や「比率」を計算することで、より深く比較できます。

Excelでは、隣のセルに簡単な数式を入力するだけでこれらの計算ができます。

例えば、前年からの差額と伸び率を計算してみましょう。

| 月 | 今年の売上 | 去年の売上 | 差額 (今年の売上 - 去年の売上) | 伸び率 ((今年の売上 - 去年の売上) ÷ 去年の売上) | | :--- | :--------- | :--------- | :------------------------------- | :---------------------------------------------- | | 4月 | 500,000 | 450,000 | =B2-C2 (50,000) | =(B2-C2)/C2 (約0.111) | | 5月 | 550,000 | 520,000 | =B3-C3 (30,000) | =(B3-C3)/C3 (約0.058) | | 6月 | 600,000 | 580,000 | =B4-C4 (20,000) | =(B4-C4)/C4 (約0.034) |

※ Excel上ではパーセント表示に設定すると「11.1%」のように表示されます。

ステップ3:結果を読み解く

計算した差額や伸び率を見て、どのような傾向があるか、どこに違いがあるかを読み解きます。

このように、単に数値を見るだけでなく、比較の結果から「何が起きているのか」を考え、次のアクションに繋げるのがデータ分析です。

データ比較をする上での注意点

データを比較する際には、いくつか注意しておきたい点があります。

まとめ

データ分析の基本である「比較」は、決して難しくありません。過去と比べる、他と比べる、目標と比べる。これらのシンプルな比較を行うことで、現状を正確に理解し、次に何をすべきかが見えてきます。

まずは、皆さんの身近にあるデータ(例えば、部署の売上データ、ウェブサイトの簡単なアクセスデータなど)を使って、今回ご紹介したような簡単な比較から始めてみてください。Excelがあればすぐに実践できます。

データ比較は、データ分析の第一歩であり、様々な分析手法の基礎となります。このステップを通じて、データから新しい発見をする楽しさをぜひ体験してください。

次の記事では、比較した結果をより分かりやすく伝える「グラフ」の活用方法について解説する予定です。お楽しみに。